LDOレギュレータ保護回路
短絡電流制限回路/ 過電流保護回路は「ブロック図」の青丸部分のCurrent Limitのことで、出力端子(VOUT)とグラウンド端子(GND)がショートした時などに、過電流が流れて破壊してしまうことを防ぐ回路です。
LDO レギュレータは出力ドライバトランジスタのオン抵抗が1 Ω以下にもなり得ますので、短絡電流制限回路/ 過電流保護回路がないと、出力がショートした場合には想定外の異常電流(大電流)が流れることになり、その電力消費による発熱でLDOレギュレータ自身を熱破壊してしまう恐れがあります。
「出力電圧対出力電流特性例」のグラフの青線部分が過電流保護動作で、青丸部分が短絡電流制限動作です。
R1131 ブロック図
R1131x26xx 出力電圧 対 出力電流特性例
出力電流制限値(グラフの青線)を超えるまでは負荷電流が増加しても出力電圧は一定を維持していますが、負荷電流が出力電流制限値に到達すると過電流保護回路によって、LDOレギュレータのドライバに流れる電流は出力電流制限値に制限されます。制限電流以上の電流を流そうとすると出力電圧が低下(垂下)します。データシートの電気的特性には過電流保護回路の制限電流規定はありませんので、各製品のデータシートに記載されている特性例のグラフを必要に応じて参照ください。
何らかの原因で出力端子(VOUT)がグラウンド端子(GND)と短絡状態になると、短絡電流制限回路の動作により出力電圧の低下にともなって出力制限電流値が自動的に低下します。出力電圧が0 Vまで低下したときの電流値は短絡電流(lSC)として規定されており、30mAから250mA程度となっています。 このときの出力電流に対する出力電圧の関係を表すグラフが、カタカナの「フ」の字に似ていることから『フの字特性』と呼んでいます。英語では『Fold back protection』と呼ばれています。
LDO レギュレータの通常動作においては、電気的特性の出力電流(IOUT)を超えないように使用してください。