リアルタイムクロック使い方
時計の精度は、RTCのICだけで決まるものではありません。時計の精度を決めるものには主に以下のものがあります。
今、仮に時計の進み遅れをXとすると、
時計の精度 X = ± [1] ± [2] ± [3] ± [4] ± [5] ± [6]
というように単純和で表されます。
この式に仮の数字を入れて計算してみます。
[1] は市販の水晶振動子のスペックで想定されていますが、±10ppmか±20ppmが多いです。一番良く使われる±20ppmの水晶振動子を使ったとします。
[2] は使用環境によりますので何とも言えませんが、常温とします。常温であれば当然±0ppmになります。
[3] は、1年で±10ppmのスペックの水晶振動子が多いですが、初期状態では経年なしなので、これを無視することにします。
[4] は±5~10ppmですが、±5ppmとしてみます。
[5] は特性例を見ていただければわかると思いますが、当社RTC_ICの場合ほとんど無視できます。
[6] は仮に±5ppmとします。
すると、
X = ± [1] ± [2] ± [3] ± [4] ± [5] ± [6] = ±20ppm ±0ppm ±0ppm ±5ppm ±0ppm ±5ppm = ±30ppm
になります。これを月差に直すと
±30ppm x 60秒 x 60分 x 24時間 x 31日 = ±80秒/月
になります。
精度の良い時計を実現するには、製品が組み上がった後、個々に調整が必要になります。製品が組み上がった後、個々の調整を行えば、上記 [1] から [6] のうち、[1] [4] [5] [6] はキャンセルできます。
また、水晶振動子を内蔵し、工場出荷時に調整を行った当社のR2025、R2045は [1] [4] [5] [6] が調整済みで、0±5ppm (25°C時) を実現しています。これは月差に直すと 13.4 sec になります。
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